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不妊症の体外受精と助成制度

令和3年1月1日から不妊治療に対する助成制度が拡充変更されました。

大まかに言うと
 

  • 所得制限がなくなりました
  • 助成金が1回30万円になりました
  • 助成回数が1子ごとに6回までになりました

の3点で、適応されるのは体外受精、顕微授精に対してです。
また、40歳以上43歳未満は3回までが対象となります。

詳しくは厚生労働省:不妊治療に関する取組をご確認ください。
 

さて、不妊症の体外受精に対して助成制度が拡充されたのはいいことですが、そもそも「体外受精=子供を授かる」が必ずしも成立するわけではありません。
 

今まで問題視されていたのは、不妊治療に対する助成制度が希薄だったため、経済的理由で不妊治療の延期・断念される夫婦が54%いました。
 

しかし、この時から本当の問題点は「体外受精しても妊娠できない」 または「妊娠しても出産に至らない」点です。
 

もともと結婚や子供を授かりたいと願う年齢が以前より高年齢化していて、そこには卵子の数の制限と卵子の老化の問題もあります。
 

また、一番の問題は機械的な体外受精の構図にあります。
 

不妊治療専門のクリニックは「妊娠」が目的であり、体外受精をおこなって心拍確認(妊娠判定)できなかったらまた体外受精の繰り返し。 妊娠判定出ても妊娠に至らなかったらまた体外受精になってしまいます。
 

妊娠を維持する目的でホルモン剤を使用しますが、それしか手立てがありません。 助成制度が拡充しても、このような治療を繰り返すうちは、採卵すらできないところまで来てしまいます。

では、妊娠から無事出産という目的を達成するにはどうしたらいいのか。それが不妊症専門の鍼灸治療になります。
 

鍼灸治療のメリットは、西洋医学的な観点からのアプローチと、東洋医学的なアプローチの両方を考え、治療法を組み立てます。
 

当院における不妊治療の理想的な方針は

  • 採卵前
  • 移植日
  • 移植後

で治療法が違うことです。

採卵前は排卵日を計算して、薬で卵を大きくして排卵日前に採卵します。
当院では、採卵前に卵が大きくなるだけでなく、女性ホルモンの分泌バランスを整え、子宮内膜を厚くし移植後に着床しやすくなるよう治療をおこないます。
 

移植日は、なるべく移植後同日中に、着床しやすくなるように治療します。
 

移植後は、基礎体温表でいうところの排卵後の高温期で、高体温を維持できるように治療を組み立てます。

また体外受精をおこなった患者さんは出産までに様々なトラブルが起きやすくなります。 機械的な治療だったために、出産するための健康的な体が出来上がっていないからです。 そのため、つわりが酷かったり、逆子になったり、胎児の発育が遅かったり、出産予定日になっても陣痛が来なかったり...。
 

だからこそ当院では つわり逆子、安産、陣痛促進、無痛分娩等の専門外来を常設しています。
 

不妊治療をおこなっている、もしくはこれから希望する患者さんは、まずは無事出産するをゴールとして何をすべきか整理してください。

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