専門外来のご案内 : ED治療

目次

ED治療専門外来

EDとは満足のいく勃起が得られない、それがEDです。

現在、成人男性の24%、つまり4人に1人が中等度以上のEDに悩んでおり、年代によっては2人に1人がEDという統計も出ています。

「なかなか勃起しない」
「最近、性行為に自信が持てない」
「最後まで満足のいくような性交ができない」
「たまに勃起しないことがある」

と感じていたらなるべく早くED治療をおこないましょう!

EDとは「勃起機能の低下」を意味し、日本語で「勃起障害」あるいは「勃起不全」と訳されます。
完全に勃起ができない状態だけがEDではありません。
勃起に時間がかかったり、勃起しても途中で萎えてしまったりして、満足のいく性交ができない・・・と感じる人は、いずれも EDの疑いがあります。

米国泌尿器学会では
「性交時に十分な勃起やその維持ができずに、満足な性交が行えない状態」
と定義されています

勃起の仕組みとEDの原因

勃起はなぜ起こるの?

勃起は、自律神経のうちリラックスする副交感神経が優位になると陰茎海綿体の血管が拡張し、血液が送り込まれることにより起こります。大きく膨らんだ状態が正常な勃起です。

心理的な刺激による「中枢性勃起」

中枢性勃起では、女性の裸体を見たり想像をしたりするなど、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、想像によって大脳が興奮し、その興奮が脊髄の勃起中枢(中枢神経)~勃起神経の骨盤内臓神経(副交感神経)に伝わって勃起が生じます。

物理的な刺激によって勃起する「反射性勃起」

反射性勃起は、ペニスに触れたり、乗り物などで微妙な振動を受けたりするなど、物理的な刺激を受けることで陰部神経を介して反射的にペニスの「陰茎海綿体」が血液で満たされ、勃起が生じます。

EDの場合、動脈の拡がりが不十分で、十分な血液が動脈に流れ込まなかったり、勃起につながる神経のどこかにダメージを受けていて、硬くなるのに時間がかかったり、勃起が持続できなかったりします。

EDの種類

EDには、大きくわけると、

  1. 心因性ED(機能性ED)
  2. 器質性ED
  3. 混合性ED

の3つに分けられます。

心因性(機能性)ED

心因性EDは、過度の緊張、夫婦関係のズレ、失敗の記憶、ストレスなどが原因で、一番多いEDのパターンがこの心因性です。朝勃ちもあり自慰では勃起するが相手がいるとダメになるというのが心因性EDの典型的な特徴で、 夫婦関係 の気持ちのズレや仕事や家庭のストレス、子作りのためのプレッシャーなどが深く影響します。
このようなEDでセックスレスになっている夫婦も少なくないでしょう。

初回の性交の失敗体験を引きずっていたり、性交を長くしていなかったブランク後に失敗、いままでは問題なかったが一度失敗してから急に不調続きになったというのもこれにあたります。

過度の緊張で勃たなかったり、性交中の中折れやコンドームをつけると萎えるなどがよくある症状で、精神的にEDになっているというのが実態です。定年後、仕事という大きなやり甲斐を失って起きたり男性更年期障害で性欲が減退して起きることもあります。

また、この心因性EDを細かく分けると2つに分けることができます。

現実心因

日常のちょっとしたことがストレスとなり、それが原因でEDを起こす場合です。例えば、 パートナーの女性に「だめな男ね」、「役立たずね」などと言われ、その言葉に敏感に反応し、言葉の衝撃や暴力でEDになったりします。また、結婚生活で奥さんとうまくいかない、経済的なストレスがある、毎日疲れている、など自分自身でほぼ原因に見当がつくものが現実心因です。

深層心因

日常生活には特に心理的ストレスはないものの、幼児期の体験や性的トラウマなど過去の出来事が原因となり、心の深層にある原因がEDを起こす場合です。深層心因の場合、大半は無意識ないし意識下の世界に原因があるため本人には見当がつかず、原因の解明までに長期間要し、治療が難しいケースが多いようです。

器質性心因

器質性EDは、脳出血、脳腫瘍、脳外傷、パーキンソン病、アルツハイマー病などの疾患は、自律神経障害を起こすEDや、糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病が原因となり、血管や神経が障害を受けて起こるEDがあります。また、喫煙や過度の飲酒もEDを引き起こす原因と考えられています。

糖尿病は血管や神経などに障害が起こるため、生活習慣病の中でもEDの起こる割合が最も高い疾患になります。

高血圧は動脈硬化を引き起こす原因の1つであるため、EDの起こる割合が高くなります。

高脂血症は動脈硬化の原因であるため、EDの起こる割合が高くなります。

引用・・・バイエル薬品より

EDに悩む男性の人口

現在、1998年に男性を対象として行われた調査によると、日本のEDの状況は実に1130万人に達します。
ときどき性交ができない中等度EDの患者が870万人、そして常に性交ができない完全EDの患者が260万人もいる状況で、成人男性の約24%、つまり4人に1人が"勃起が十分でなく、「時々性交ができない」中等度ED、もしくは、「勃起しないため常に性交ができない」完全EDです。
「たまにできない」軽度EDを含めると、EDと診断される人はさらに増えます。

年代別にみると、30代はまでは5%ほどだったED患者の割合が、40代に入ると15%程度まで急増し、50代になるとED患者の割合は3割を超え、50~60代だけに限れば5割に達します。
つまり、日本の50~60代の男性の2人に1人がEDということになります。

EDに対する鍼灸治療

EDの治療

EDに対する鍼灸治療は、EDの原因、症状の強さによって治療方法を変えていきます。(例えば、勃起は海綿体組織の充血によって起こされますが、鍼灸治療で骨盤内の血流を改善させます。)

一時的な症状でしたら、数回の治療で回復しますが、ストレス、残業や夜勤が多い(不規則な生活)・糖尿病を患っている・不整脈など循環器の疾患を持っているなどの場合、根気よく治療することが必要となります。普段の生活を一度整理して、症状の原因となっているものに対して一つ一つ対応していきます。

EDに効くツボ

中りょう

中りょう穴は、骨盤の上にあるツボで、陰部神経、骨盤内臓神経を刺激する作用があります。
EDに対する鍼灸治療の効果としては、中りょう穴を使用した場合、早朝勃起は全症例に対して改善。性交時の状態は65%が改善(心因性33%、内分泌性88%、静脈性100%、糖尿病性50%改善、神経因性その他は不変)とされています。
※「鍼灸臨床の科学」医歯薬出版刊

ただし、本当の現場での臨床実績では、心因性のEDに対する治療で使われるツボを追加することで飛躍的に効果が上がります。また、当院では、極力、患者さんの体に負担がかからないように治療するため、安心して治療することができ、更なる治療効果の向上も期待できます。

関元

へそから指4本分下に位置する関元は婦人科、泌尿生殖器系のトラブルに万能のツボです。そのため、女性不妊、男性不妊共に重要なツボとなり、EDに対しても効果があります。

本来、関元は体が元気になるために必要なエネルギーが集まるツボとされています。関元をお灸で温めることで、体力を蓄え、男性生殖機能を高め、勃起力の維持が期待できます。

普段から自宅でも関元にお灸をしてあげるとより効果が出やすくなります。最近では、寒い冬場だけでなく、デスクワークによる運動不足や、夏のクーラーによりお腹が冷えてしまい元気がなくなってしまいます。

百会

全身にある経絡が交わるところで、全ての臓器と繋がっているとされています。そのため、全身的に自律神経のバランスを整え、活性化してくれます。
特に、心因性のEDや、器質性EDでも、精神的な不安があるとき、ストレスが蓄積しているときに効果があります。

また、百会と会陰部(おしりの穴)は表裏一体でつながっており、百会を刺激することで、泌尿生殖器の機能を高めてくれます。

内関

内関(ないかん)は、心因性EDに効果のあるツボで、もともと自律神経失調症、うつ病、不眠症、車酔い、あがり症などに使われています。

心因性EDの場合、内関を刺激することで、普段から精神安定をもたらしてくれて、実際の性交渉の時に落ち着きを保てるようになります。また、EDの症状が強い時に前述の百会と合わせて使用することで相乗効果が生まれます。

心配性な方、トラウマがフラッシュバックしてしまうような方には、普段からここに極短い貼るタイプの鍼を貼っておくこともあります。

百会の部分は、頭皮があり、すぐ中には頭蓋骨があります。そのため、髪の毛ほどの細さの鍼(0.1~0.16mm)をするには、まっすぐ刺すのではなく、頭皮とほぼ水平に浅く刺します。痛みはほとんどなく、頭のフラフラ感や重さ、頭痛などをお持ちの患者さんの場合は、むしろ気持ちい感覚があります。

同様の理由で、鍼の代わりに糸くず~米粒大のお灸をする場合もあります。お灸は特に、頭がすっきりする感じがしてきますので、病み付きになる気持ち良さがあります。

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