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症状別Q&A : 顔面神経麻痺

顔の麻痺になった子供は治りますか?女の子なので心配です。

顔面神経麻痺で最も多いのはベル麻痺とよばれるものです。この病気なら比較的治りが良好で、鍼治療をすることで、細かな表情も回復しやすくなります。
その他、交通事故などケガによって麻痺があらわれた場合、神経の損傷が激しく、当院での治療実績の統計からもベル麻痺と比べると後遺症が残りやすくなると思います。また、子供によくあらわれる中耳炎がきっかけで麻痺になった場合、中耳炎の炎症を短期間で治さないと、神経を長時間圧迫した結果、治りが悪くなります。症状の程度にかかわらず、1日でも早い鍼灸治療が望ましいです。ただ、鍼灸治療するのではなく、必要な部分は病院でしっかりと治療することも大事です。
病院へ行く前に当院へ来院された場合は、治療前の症状をみて病院へすすめることもあります。

鍼灸治療はどのくらいの回数必要ですか?

麻痺の治療は、症状があらわれてからどのくらい経過しているのか、症状の強さはどのくらいなのか等、一人一人異なります。
初診時に診察した時、これからの治療方針を決めていきます。そのため、一概にこれくらいという決め事はありません。ただ、麻痺があらわれてから、およそ3〜4ヶ月で神経が顔の末端まで到達するといわれており、後遺症があらわれはじめるのも4ヶ月くらいなため、発症初期の段階では、発症〜4ヶ月は、かなり回復していても来院していただくようにしています。

鍼は顔に刺すのですか?

顔面神経麻痺に対する鍼灸治療は、症状の範囲と重症度によって微妙に異なってきます。一般的には、症状があらわれている顔の部分に鍼治療をおこないますが、その他にも、麻痺の原因となっている首回りのツボや、免疫力が低下している体を回復するため、顔以外の場所にあるツボに鍼をすることもあります。

鍼は痛くないですか?

当院で使用している鍼は、1本1本滅菌処理している使い捨ての鍼です。そのため、鍼先も滑らかに研磨している鍼で、太さも髪の毛くらいの細さ0.10〜0.14mmと極細の鍼を使用しています。また、痛くない鍼の使用方法をおこなうため、安心して治療が受けられます。

現在、麻痺の治療で病院に通っています。一緒に鍼灸治療をおこなわないほうがいいですか?

いいえ、そんなことはありません。顔面神経麻痺の治療は、病院での西洋医学的な治療だけでなく、鍼灸治療も早い段階からおこなった方が回復する見込みが高まりやすい傾向にあります。病院で治療したその日に鍼灸院へ来院された場合は、病院での治療も考慮しながら鍼灸治療をおこないます。症状が固定される前に鍼灸治療をおこないましょう。

鍼灸院で麻痺の検査はおこないますか?

はい、鍼灸院で顔面神経麻痺の治療をおこなう場合、治療方針を決めるために治療前にいくつかの検査をおこないます。病院のような検査器具はありませんが、病院でおこなっているような麻痺の評価をするために、柳原法(40点法)、Sunnybrook法、触診、問診等必要な検査、診察をおこなっています。この検査は、初診時だけでなく、経過をみるうえで、時々おこないます。この検査は、初診時だけでなく、経過をみるうえで、時々おこないます。また、顔の表情は繊細なため、前述の検査方法では十分ではありません。そのため、鍼灸治療ではより細かな記録と評価をしています。

顔面神経麻痺は電気治療をやってはいけないとネットでみました。電気治療はおこないますか?

日本顔面神経学会のガイドラインでは、顔面神経麻痺に対する治療として低周波治療を禁止しています。
それは、顔面神経が支配している顔の表情を作る筋肉が特殊な組織なため、顔に低周波等の電気治療をおこなった場合、神経が迷入再生という間違った神経再生をおこなうことで後遺症があらわれてしまうからです。例えば、食事中に口を動かしているときに一緒に涙が出てしまったり、口を開けた時に目が閉じてしまったりとおかしな症状があらわれます。
顔面神経麻痺があらわれてから7〜10日以降の誘発筋電図ENoG値 < 40%や、発症4週間で40点法(柳原法)が10/40 点以下の場合は、低周波をおこなうことで粗大で強力な筋収縮を誘発し迷入再生をうながしてしまうため禁止しています。
このような状態の時、低周波同様に、リハビリとして一生懸命自力で顔を動かすトレーニングも避けたほうがいいです。
当院の場合、低周波治療も、肩こりや腰痛、五十肩など一般的な症状では取り扱うこともありますが、顔面神経麻痺では使用しないようにしています。

病院でハント病と診断されました。どんな病気で、鍼灸治療で治るのか教えてください。

ご質問の病気は、ハント症候群のことだと思います。
ハント症候群は、顔面神経麻痺だけでなく、麻痺側の耳も聞こえなくなってしまう、重度の病気で、病院でも治療するのに手だてがなくなってしまう大変な病気です。
原因は、水疱瘡(みずぼうそう)にかかった後、その原因ウイルスが体の中に残っていて、体力が落ちた時、体の免疫力が落ちた時に再びウイルスが増殖して、症状があらわれる病気です。
一般的には帯状疱疹として、脇腹や手、足などに帯状の水疱があらわれますが、耳の後ろの奥にある顔面神経にウイルスがある場合、顔面部の麻痺や、難聴として症状がでてきます。
この病気はかなり治りにくい難聴と顔面神経麻痺があらわれますので、早い段階からしっかり鍼灸治療をしたいですね。もちろん、鍼灸治療で回復しますが、ベル麻痺と比べると後遺症が残りやすい病気ではあります。

私は交通事故で顔をケガしてから麻痺が出ました。そのような場合でも治りますか?

交通事故など、外傷性の顔面神経麻痺では、神経が傷つけられているため、麻痺の回復が望めないケースもあります。

状態によっては、ほとんど正常な状態まで回復するケースもあります。 一度、ご来院していただき、これからのことを決めてもいいのではないでしょうか。

私は顔のけいれんがひどく、病院で手術をしました。けいれんは治まりましたが麻痺がでました。

このような状態で来院される患者さんも少なくありません。手術の後に、一時的に顔面神経の周辺組織が炎症をおこし、神経を圧迫することで麻痺が起こるケース、手術の際に神経を傷つけて麻痺が起こるケースなどが考えられます。症状があらわれた時は、1日でも早く鍼灸治療をおこなうことで治ることもあります。

私は何年もまぶたがピクピクと動いています。麻痺とは違いますが鍼灸治療できますか?

当院では、まぶたなど顔の一部がピクピクとけいれんする患者さんも鍼灸治療をおこなっております。けいれんの原因も麻痺同様に様々ですが、麻痺が起こる前の状態としてけいれんがあらわれていることもありますので、時間が経っていても鍼灸治療をおこなった方がいいです。

私の麻痺は右も左もやりました。一生のうちに何回も病気になる人はいますか?

はい、可能性としては何回も発病する患者さんはいます。年数をあけて右に2回発病する人、右に麻痺が出た後、数年後に左が麻痺する人など様々です。 ごくまれですが、患者さんによっては、左に2回、右を1回合計3回麻痺があらわれた患者さんもいるくらいです。
麻痺が回復した後も、生活環境を整えないと再発する可能性がありますので、一度でも、麻痺が出た患者さんは、回復した後でも、定期的に、もしくは時々鍼灸治療で体調管理をした方が安心です。

鍼灸院では、麻痺の検査をしてくれますか?

当院では、主に40点法と呼ばれるもの、SunnyBrook法と呼ばれるものをおこなっています。

40点法は、一般的に、各項目4点満点で、0点、2点、4点と評価していきますが、当院では、細かな動きを評価しなければ、治療も、回復経過もわからないので、3段階評価ではなく、0.5点ずつ、9段階評価をおこないます。

SunnyBrook法に対しても同様に、評価法としては不十分なため、動く範囲、痙攣の範囲、共同運動の動作対象、非対称性の範囲などを細かく記録します。

患者さんのご希望により、自分の現状把握をしてもらうため、簡単なビデオ撮影をして見てもらうこともあります。

そちらの鍼灸院では今までどんな顔の麻痺患者さんを治療していますか?

当院に来院される顔面神経麻痺の患者さんは、ベル麻痺、中耳炎、麻痺減荷術後遺症、けいれん減荷術後遺症、頭部外傷性、ハント症候群、聴神経腫瘍手術後後遺症、耳下腺腫瘍術後後遺症、親不知術後後遺症、糖尿病、高血圧、インフルエンザ、妊娠中、バセドウ病、うつ、ギランバレー、分娩後遺症など経験があります。また、このほかにも実績、評価していますので、お気軽にご相談ください。

事故で頭の骨が折れてから顔が全部動かなくなりました。治療できますか?

はい、当院に来院される患者さんで、交通事故や仕事中の怪我などで頭の骨を折って顔の両方が麻痺している患者さんもいます。損保や労災保険、健康保険などを使いながら顔面の麻痺を治療していきます。
頭の骨折という大きなケガでは、顔の麻痺よりも生命維持が最優先で、顔の麻痺に対する治療開始が遅れるケースが多々あります。出来る限り、回復できるよう治療も患者さんの状態に合わせながらおこないます。ケガをしてから1日でも早く鍼灸治療することがまず回復するために大事なことです。

母がうつ病になってから顔が半分動かなくなりました。鍼灸治療でなおりますか?

はい、治療対応しています。うつ病になってから生活習慣も乱れ顔面神経麻痺があらわれることもあります。当院では、うつ病の治療をしながら麻痺の治療もおこなっています。
ただし、うつ病や糖尿病、脳梗塞などの疾患をお持ちの場合、そして、その疾患のために処方された薬、例えば安定剤や抗うつ剤などの影響があるため、一般的なベル麻痺などの顔面神経麻痺だけ発病したものよりは治りが悪い傾向にあります。

妊娠中に顔の麻痺が出て薬を使えません。鍼灸は副作用など大丈夫ですか?

妊娠中の顔面神経麻痺でも鍼灸治療は適応します。当院では、耳鼻科領域だけでなく、婦人科領域も専門におこなっているため、妊娠中〜産後まで、母子ともに安全に生活できるよう、体調管理も可能です。もともと妊娠中は、お腹の赤ちゃんに体力を奪われるため、難聴や麻痺などの原因になる病気になりやすいです。鍼灸治療をすることで、強いお母さん、強い子供に体質改善させるお手伝いができます。妊娠中、顔の麻痺だけでなく、逆子になっても、出産予定日になっても陣痛が来ないときでも、薬を使わず鍼灸治療で治すことを毎日の診療でおこなっています。妊娠中、体の不調は、お気軽にご相談ください。

顔の麻痺になった子供は治りますか?女の子なので心配です。

顔面神経麻痺で最も多いのはベル麻痺とよばれるものです。この病気なら比較的治りが良好で、鍼治療をすることで、細かな表情も回復しやすくなります。
その他、交通事故などケガによって麻痺があらわれた場合、神経の損傷が激しく、当院での治療実績の統計からもベル麻痺と比べると後遺症が残りやすくなると思います。また、子供によくあらわれる中耳炎がきっかけで麻痺になった場合、中耳炎の炎症を短期間で治さないと、神経を長時間圧迫した結果、治りが悪くなります。症状の程度にかかわらず、1日でも早い鍼灸治療が望ましいです。ただ、鍼灸治療するのではなく、必要な部分は病院でしっかりと治療することも大事です。
病院へ行く前に当院へ来院された場合は、治療前の症状をみて病院へすすめることもあります。

美容整形の手術後に顔の麻痺が出てきました。鍼灸治療をしてよくなるのでしょうか?

手術など外傷性の麻痺の場合は、神経をどの程度損傷しているかによって回復の見込みも個人差があります。顔面神経をほとんど傷つけておらず、皮膚や筋肉など顔面神経に関係する周辺の組織だけが原因である場合は回復度合いも高いです。外傷性麻痺もケースバイケースですので、ご来院時に状態を確認して、どの程度回復できるのかご説明し、これからの治療計画を立てます。

.中耳炎の手術後に顔の麻痺が出ました。こんな症状でもよくなりますか?

はい、回復する可能性はあります。風邪をひいた時、歯の治療をした後、耳の周りの病気や治療をした後に、耳の周りのリンパ節が炎症を起こして顔の麻痺があらわれることはあります。鍼灸治療の場合、このリンパ節の炎症等、原因となっている治療をおこないながら麻痺の回復をうながします。

私は顔の麻痺だけでなく耳も聞こえなくなりました。そんな人はいますか?

はい、患者さんの中では、顔面神経麻痺と同時に耳が聞こえなくなる難聴も併発する方もいます。
ハント症候群という帯状疱疹のウイルスが原因で発病し、重度の麻痺と難聴があらわれ、かなり治りにくい病気のひとつです。治りにくい病気ですが、患者さんによって予後は様々です。軽度の症状で治る人、根気よく治療していけばある程度治る人もいますので、鍼灸治療適応にもなります。
ほとんどの患者さんの場合、病院で数か月治療してから治らないときに鍼灸院へ来院するケースが多いので、1日でも早く病院の治療と並行して鍼灸治療をおこなう必要はあります。

病院では麻痺に対してどんな治療をしていますか?

顔面神経麻痺に対しての治療は、第一選択としてステロイドというホルモン剤を使用されやすいです。また、ウイルス感染が原因となるため、抗ウイルス薬が出されます。
顔面の麻痺があらわれた時、患者さんが受診する科によっても治療方針が異なることもありますので、今の麻痺の症状だけでなく、目が痛い、涙が止まらない、味がわからない、耳の後ろが痛い、腫れているなど、ご自分が苦痛に感じることを具体的に訴えて治療していった方がいいでしょう。

麻痺は治りますか?

顔面神経麻痺は、麻痺がおこった原因、麻痺の度合いによって予後も大きく異なります。
一番多い麻痺は、ベル麻痺と呼ばれる末梢性の麻痺で50〜60%の割合を占めます。この麻痺は比較的回復しやすい傾向にあります。ただし、この中でも、症状があらわれてから治療にとりかかるまでに何日も時間が経過した場合や、帯状疱疹の原因となるウイルスに感染した場合にはかなり治りが悪くなることもあります。
当院にご来院の際は、症状があらわれてからの経過、現在の状態を確認して、ご説明いたします。

麻痺の原因は何ですか?

顔面神経麻痺のほとんどが原因不明といわれてきましたが、近年ではヘルペスウイルスが大きく関わっていることがわかってきました。
体力や免疫力が低下した時、体の中にあるヘルペスウイルスが再活性して顔面神経に影響をあたえます。

顔が麻痺するとどのような症状が出てきますか?

顔面神経麻痺の症状は、症状の度合いや障害されている部分によって違いがありますが、眼が閉じれない、口元が垂れ下がる、お茶を飲んでも口元からこぼれる、口笛がふけない、味がわからなくなるなど様々な症状があらわれます。

「顔面神経麻痺」ってどんな病気ですか?

顔面神経麻痺(がんめんしんけいまひ)は、顔の表情をつくる筋肉が動かなくなってしまう病気で、今まで、そのほとんどが原因不明とされています。

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