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片頭痛をいかにして治すのか



令和4年6月29日 脳神経外科医をお招きして頭部画像診断の勉強会をおこないました。
 
頭部の病気といえば脳梗塞やくも膜下出血だけでなく、聴神経腫瘍や片頭痛、三叉神経痛、小脳変性症、パーキンソン病など多岐にわたり、鍼灸治療にも関係しています。
 
勉強会の中で印象的だったのが、昨年改定された頭痛ガイドラインの内容と鍼灸治療についてです。
 
今まで、片頭痛の原因(状態)は、脳血管が収縮して前兆が起こり、その後血管拡張によって拍動性の痛みがあらわれるという考え方でした。
 
脳血流の検討では、前兆期に脳血流は低下し、頭痛期に脳血流が増加していることが示されていましたが、血管が収縮していると考えられる乏血期から頭痛が起こっていることが明らかとなり、血管原因説による病態の矛盾が指摘されていました。
 
 


 
今回、改定された頭痛ガイドライン2021では、片頭痛発作は三叉神経血管系が異常に活性化されて引き起こされるとの説が有力とされています。
 
なんらかの刺激により三叉神経終末からCGRPなどの神経ペプチドが放出され、これにより生じた神経原性炎症(血管拡張、血漿蛋白質の漏出、肥満細胞の脱顆粒)が周囲にさらなる炎症を引き起こし、その神経興奮が中枢へと伝わって最終的に片頭痛の痛みとして知覚されると考えられています。
 
血管拡張は、原因ではなく、結果として拡張している状態になっていると。
 
そのため、医療現場では、CGRP の阻害による片頭痛の発作抑制が期待されています。
 
一方、鍼灸治療では、埼玉医大をはじめとする研究によって、鍼灸治療の効果が立証され、今回のガイドラインでも明記されています。
 
残念なことに、片頭痛に対して鍼灸治療の結果はあるが、その根拠を立証するための材料が少ないとされています。
 
鍼灸の良いところは、予防、治療ともに効果的であり、片頭痛だけでなく、小児の頭痛、月経時の頭痛、妊娠中、授乳中の頭痛にも適応される体に優しく、薬より早く効果があらわれる治療法となります。
 
鍼灸治療の科学的根拠を立証する研究が進み、医学的にも一般の方への普及も認知されれば嬉しいです。
 
まだ知られていないことが多い鍼灸治療ですが、健康保険も使えます(意思の同意書が必要)。首から上の症状でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
 

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